お出かけがワクワクする季節が巡ってきました。
ここ数年、旅行がしにくいご時勢ではありますが、我慢ばかりでは息も詰まりますね。
できる範囲で、少しずつ楽しんでいきましょう!

適性検査によく出る、旅行や班行動の問題

さて、適性検査には旅行や班行動などの問題が頻繁に登場します。
その多くは算数ですが、社会や国語系でも絡めた出題もあります。

例えば、2020年度の鹿児島県立楠隼中では家族でシンガポール旅行の予定があるという内容の出題でした。
現地の気候や旅行先でのアトラクションや観劇関連の出題のほか、運賃・宿泊規約に触れた内容もありました。

もちろん、適性検査は性質上出題の文章をしっかり読み込むことである程度の解答は導けます。
ですが、実体験があるとその正答率はぐっと高くなるうえ、自分の考えを述べやすくなるのも事実です。
そこで今回は以下のことをご提案です。

「参加する」だけでなく「計画する」側へ意識を向ける

まず旅行を計画するとなると以下のような項目がありますよね。

  • 必要な予算(交通費、食事代、宿代、お土産代などなど)の算出と計画
  • 実際にかかる所要時間(車、電車やバス乗り継ぎ、見学、食事など)の算出と計画
  • 目的地に行く手段や宿選び(公共交通機関、車、徒歩、宿の種類)
  • 目的地の情報集め(朝晩、日中の気候、活動メインが屋内か室内か、現地のイベント行事、特産品や、名物料理など)

旅行は「参加する」だけでなく「計画する」側へ意識を向けてみましょう。

実際に使える計画をお子さんと作ってみる

コロナ禍前、私も塾の生徒には「現実的な予算、所要時間、交通機関、実在の場所」という条件で「家族旅行計画」を立てる宿題を出していました。
連休直前でしたので、生徒の大半は「いつか旅行するとき」を想定していましたが、中には近隣観光地を巡るプランを作成し、計画した時間で電車を乗り継ぎ、予算内で飲食しお土産を買うというのを実施しましたよ、というご家庭もありました。

何をお子さんに任せるかはっきりさせておく

初めての計画や、低学年の場合はできることは限られてしまいますが、小さなこと1つでも「責任者」として動いてもらってみましょう。
自分で考え、調べ、責任をもって計画することは経験であり記憶に残ります。
そして「家族から任されている」という体験は「自信」を育てます。

旅行の計画で子どもの可能性を引き出す

さて、もうすぐ大型連休。
「もう予定は決まっています」という方「カレンダー通りに休めない」「まだ遠出は気持ち的に難しい」という方もおられるでしょう。
さらには「旅行計画をお子さんと一緒に」という提案自体、現実には億劫になるのが大人の本音ですよね。
ですが、旅行の計画がお子さんの「向いている方向性や可能性を引き出せる」きっかけになるとしたらいかがでしょうか。

社会のテストで地名さえ覚えるのが苦痛な子が、旅行計画で家族と調べた経験から、地図や地名がどんどん頭に入り、紐付けして覚えるコツをつかんだ等の例は決して珍しくありません。
実体験はまさに「お子さんの適性を知るチャンス」なのです。

 

今回は主に「旅行する側」に焦点を当てましたが、旅行するという行動には「販売店や宿泊・交通、観光地」のサービスを提供する側について考える機会も得られますので、いずれくわしく取り上げたいと思います。