中学受験とAIの関係
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
さて、昨年は生成AIによる様々な分野のニュースが絶えませんでした。
その中で、中学受験とAIとの関連について述べられる事はあまりなく、わが子の中学受験の勉強をサポートしていると、「それってウチの子と何の関係があるの…?」と、なかなかピンとこないと思います。
しかし、今後の世の中を展望せずして目の前の中学受験サポートのみに邁進すると、大学進学時に「こんなはずじゃなかった」となる可能性が非常に高くなっています。
AIによる大量解雇
まず、アメリカのビッグテック「GAFAM」で大量解雇が続いていることはご存知かと思います。
ごく数年前までは、大学で情報工学を学び、初任給何千万円で雇用された学生達が、あっさり解雇されるのです。
その理由の一つは、もちろん生成AIです。
AIの業務効率化によって、多くのエンジニアが不要となったのです。
また、いわゆるエリート大学を出た学生の就職難も話題となっているのも記憶に新しいところです。
つまり、熱心に“勉強”し、偏差値の高い大学に進学した学生達から、路頭に迷う事態になっています。
そして、いわゆるAIに代替できない「ブルーカラー」に代表される「ニューカラーワーカー」のニーズが高まっています。
単なる肉体労働ではなく、専門学校などを出て熟練した労働者として専門的なスキルを持っていることを重視する、新しいカテゴリーです。
日本では高専から大学に進学するケースが多いですね。
日本でも大学入試が変化
では、国内に目を向けてみましょう。
日本ではアメリカほど劇的な雇用の変化はまだありません
(とはいえ、いつも影響は遅れて出てきます)。
よってここではもう少し近視眼的な、いわゆる「大学進学」について見てみましょう。
皆さんご存知の通り、大学への入学の仕方が大きく変わっています。
大学入試改革により、今は国立大学と私立大学を合わせても、「総合型選抜」と「指定校推薦」による入学が半数以上を占めており、いわゆる「一般入試」による入学者は半数以下です。
…と大局的に話されても、なかなかピンと来ないと思います。
そこで、実際に私の教え子達を見てみると――最難関進学校に進学した教え子と、中堅校や標準校に進学した教え子が、同じ最難関大学(私立)に進学した例はここ数年、複数報告があります。
前者は一般入試、校舎は総合型選抜や公募推薦です。
中学受験期の過ごし方の違い
彼らの中学受験期間の様子はかなり異なります(もちろん、それぞれの位置でそれぞれの苦悩はありますし、どちらが良い・悪いではありません)。
ただ、総合型選抜や推薦で進学した教え子達は、中学受験という難度の高いコンテンツの中で、努力しても思うような結果が出ないという辛酸をなめ、それでも愚直に努力し、その過程でハングリー精神が育まれた部分を持っています。
あるいは、中学受験期に努力できなかった子――中学受験が本人のタイミングではないと周囲が認め、“むりやり首に縄をつけて引っ張”らずに、心と体が元気である状態を重要視した場合も、進学して伸び切ることなく、自分自身のタイミングで伸びていき、同様の進学先を確保しています。
我が家が大切に思う中学受験の価値
中学受験は、努力が成果に結びつく子、あるいは器用な子が評価されやすい側面をどうしても持っています。
しかし、教え子達のその後を見ていると、中学受験は通過点でしかなく、どのように中学受験期間を過ごしてきたか、がとても大きいのを痛感しています。
日本の大学入試状況、世界で起きている雇用の変化――こういった部分を総合的に見て、「我が家が大切に思う中学受験の価値」をぜひ、2026年初頭に改めて話し合って頂けたら、中学受験に関わる者として、とても嬉しく思います。