夏に向けて志望校の決め方は?

夏に向けて志望校の決め方は?
さくらんぼさん
いつも情報を興味深く拝見し、感謝しております。
今日は、六年生の模試について、志望校の決め方について、質問があります。
四谷大塚模試を1月に受けましたが、4月はコロナと、塾と四谷大塚の契約の関係で受けれず、志望校の決定もできず、今にいたっています。
夏ごろに志望校が決まると良いと聞きますが、今年について、志望校の決め方で何かアドバイスはありますでしょうか?
また、7月に四谷大塚の模試がありますが、その1回の受け方、模試での志望校の選び方もアドバイスがあれば、お返事頂きたく存じます。

※掲示板に投稿された中で、皆様に幅広く参考になると思われる質問について、こちらでお答えしていきます。

志望校をいつ決めるか?

今年は、学校見学の場が減り、勉強も例年と比べると基礎の仕上がりが遅れがちになります。
そのため、志望校決定が従来より遅くなるご家庭が増えると思われます。
「夏ごろに志望校が決まると良い」というのは、夏期講習へのモチベーションと秋以降の志望校対策に向けての話です。
入試で点数を取るためには志望校対策が必至なので、秋に第一志望がある程度固まっていないと狙った対策ができません。
憧れの第一志望に向けて志望校対策をし、その上で「やっぱり届かないかも…」と直前になって志望校を変えることは多々あります。
そのため、毎年、第一志望および併願校が“確定”するのは6年生の12月頃、場合によってはもっと後ろにずれ込むこともあります
もちろん、早々に第一志望が決まっているメリットはあります。
その学校に対する憧れがモチベーションにつながり、埋めねばならない学力の幅が明確になります。

子どもが「行きたい!」と頑張れる学校を

しかし、強い憧れの学校があっても目の前の勉強が頑張れないのが子供。
まして、あまりに現状とかけ離れた志望校は、モチベーションにすらなりません。
子供が頑張れるのは「頑張って背伸びすれば手が届く」学校であり、特に6年生にとっては「思い切りジャンプして届くか届かないか」の学校は現実的ではないのです。
これを偏差値に置き換えるならば、偏差値が10以上乖離していると厳しくはなりますが、もちろん半年で挽回して合格するお子さんも沢山います。

いずれにせよ、志望校は本人が「行きたい!」と思わない限り、強い原動力にはなりません。
子供の気持ちを置き去りにして焦って決めるものではない、という事だけ心にとめておいて下さいね。

志望校を決めるポイントは?

さて、志望校の決め方ですが、今年は今まで以上に選びやすい軸ができました。
学校行事に従来のように参加できない今、どのようにして「自校の魅力」を伝えようと真剣に考えているか、その手法にどこまで様々なツールを使おうと健闘しているか、という軸です。
しかも、それは自宅にいながらHPを見るだけで判断がつきます。
学校主導で作られた従来のHPやパンフレットは、学校説明会のようによそゆきのパッケージです。
学校が作るのではなく、専門の業者に外注している学校も多数あります。
しかし、コロナ禍で学校が配信し始めた動画や様々なコンテンツは、在籍している先生や生徒の生き生きとした活動レベルに比例します。
特に宣伝をしなくとも人が集まる(志望校として家庭が決め打ちしている)有名伝統校はあまりHPを更新していませんが、日々の生徒の活動が手に取るようにわかる学校もあります。
自宅から通学圏内の学校をリストアップし、ぜひ勉強の合間の息抜きに親子で色々な学校のHPを見てみて下さい。

7月の模試で感覚を取り戻す

7月の模試を受ける上でのアドバイスですが、模試を受けられなかったこの数か月で、子供たちはテストの臨み方を忘れています。
過度に緊張したり、時間配分を誤ったり、途中で体力を消耗したり、手ごたえのなかった科目の焦りを次の科目以降も引きずったり…。
よって、今回は点数を取ることではなく「模試を受ける感覚を取り戻す」ことに重点をおきましょう。
「頑張ってね!」と丸腰で送り出すのではなく、模試の時に注意すべき点を親子で一緒にリストアップし、その中で最低1つは実行できるようにして下さい。
志望校の記入は幅広い偏差値帯から1つずつピックアップし、合格判定が全て20%(これが最低ラインです)にならないようにしましょう。
そもそも、最終的に志望校決定をする時に、プロの我々も6年生の夏前の模試の結果など見ません。
模試の結果に一喜一憂せず、リストアップした注意点がどこまで実行できたかどうかを見てあげて下さい。